首相の所信表明演説
最後に「国民は、自信を失ってしまった。自らの力で成長をしていこうという気概を失っては・・人に問いかけるのでなく、自らの誇りと自信を取り戻そう」と、いうようなことを言い、締めくくりました。
私は、先日読んだ本に、似たようなことが書いていたなぁと思い、さがしてみました。
真山 仁 「プライド」の、あとがきの一部です。
『東日本大震災と福島第一原発事故の影響で、私たちは誇りを打ち砕かれた。
・・略・・
今なお喪失感のショックから立ち直れない、最大の理由は民主党政権の失政にある。
それに加え、この20年あまり、国家的な危機を乗り越える際に、国家や社会は、個人に犠牲を強いた。賃金カット、正社員を減らし、非正規雇用労働を推進した。それによって日本人ひとりひとりの矜持が脆くなってしまった。だが、そのまま立ち尽くしているだけでは、何も変わらない。そんな時だからこそ、私たちは誇りをもたなければならないのではないだろうか。』
と書いて、昭和初期、故山本有三氏が自著で紹介した、ドイツの詩人の詩を紹介しています。
他人のためにも言葉を持てなやみ、苦しんでいる他人のためにも。
そうして何でこんなに朗らかでいられるのか、それをこう話してやるのだ。
唇に歌を持て。
勇気を失うな。
心に太陽を持て。
そうすりゃ何だってふっ飛んでしまう。
首相の「自ら」という言葉にゾッと感じ「自己責任」ということかと勘ぐってしまうのは私だけでしょうか
誇りを持つために、自らすることは、「立ち尽くしているのでなく行動すること」「朗らかに、仲間と共に」ということだと、プライドのあとがきを読み直しました。