7月23日、東京オリンピックが開会しました。東京オリ・パラ特別措置法により、大会の円滑な準備や運営などを図るためとして祝日を移動し、10月11日の「スポーツの日」を開会式の23日に、前日の22日を「海の日」に。さらに閉会式の8月8日を「山の日」、翌9日を「振替休日」にしています。はたして、円滑な運営になっていたのかは、今後検証しなければなりません。
この原稿を書いている7月26日現在、本格的な競技が始まり、困難の中、力を尽くすすべての選手の姿が感動を呼んでいます。一方コロナ感染者は東京・札幌、そして大会関係者にも増え、来日した選手が陽性のため棄権する事態です。
オリンピックの運営でも命や人権が危険にさらされ、ツイッターで「#選手かわいそう」がトレンド入りしています。
2013年東京オリ・パラ招致委員会が、IOCに提出した「立候補ファイル」では、「(7.8月の)この時期は晴れる日が多く温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる、理想的な気候」とアピールしました。しかし、当時から東京の猛暑は様々な課題が表面化していました。
同年IOC総会でのプレゼン「お・も・て・な・し」では、「おもてなしという言葉は、なぜ日本人が互いに助け合い、お迎えするお客さまのことを大切にするかを示しています」と訴えましたが、おもてなしとは程遠い実態が、次々明らかになっています。
「濃厚接触選手との対戦拒否ができない」、選手村は「壁やベッドが段ボールの部屋、テレビ・冷蔵庫、窓がない部屋、トイレ不足」このような事実が、世界に発信されています。
「命」を守るため大会中止の決断を下すのは政治の責任です。早晩、国内外から批判が爆発するでしょう。