2012年9月29日土曜日

「なんとなく人ごと」の危険

久しぶりに会ったワンちゃん
「いらっしゃい。 あなたは、あいちゃんだっけ?はなちゃんだっけ?」
「(飼い主)ジローです」
「あいかわらずハンサムですねぇ」
「(飼い主)女の子なんですぅ」
・・・この会話から察するに、多分私は『女の子』という記憶が、うっすらあったのでしょう(笑)。


今朝の朝日新聞1面トップは、厚労省 生活保護引き締め案。
ん?と思うところがあります。
「高齢者や不況で受給者が増えている」 そうそう! 
「就労・自立を強く求めるため、低収入・短時間の仕事でもとにかく就労が基本」 あれ?
さんざん面接で落ちて就職できないと、誰でも凹んでしまうものです。
面接に行く交通費・履歴書や写真にかかる費用も重い負担になってきます。
働いても給料が入るまで2ヶ月先ということもあります。
相談者に「生活保護を受けて、しっかり就職活動しよう」と言うと、ほとんどの人が自分が受けられる対象と思っていません。

申請が進む中で、「あなたはどんな仕事をして自立したいですか?」と聞かれます。全員の担当者が聞くわけではないのかもしれません。でも、よく聞かれます。ほとんどの人が「なんでもやります」とこたえますが、「それでは自立できません」と言われます。(みんなじゃないでしょうが、よく言われます)
求めている答えは「自分の働いていた経験を活かして、○○をして自立したいです」です。(と、私は感じます)
そんな時、私は担当の人に「どんな仕事でもしたらいいよ。収入が少なくても、短時間でも。
体を使って、社会とつながって。そこから次の仕事につながるかもしれない。自分のやりたい仕事につながるといいね。いきなり自立できる仕事は見つからないことが多いけれど、足りない分は生活保護で補って、近い将来自立できるようがんばろう・・と話し合って制度を活用する決意をしてきました。短時間のパートしかなくて、まず働こうと思った時、こんな仕事で自立できるのかと、自立する気はあるのかと、あなたは言うんでしょうか?」と聞きます。
 

働きたいのに、仕事がなくて困っているという実態を知らない対応に、こちらこそ困って
しまうのですが、今度は「とにかく低収入でも就労」。
なんだか、ん?と首をかしげてしまうのです。

つまり、
「実態を見る」のではなく「疑って見る」から、こんなことになるのでしょう。
ほんとに働く気があるのかぁ?
ほんとに病気で働けないのかぁ?
(長く病院にかかっている人は、他の病院に行って働く能力を確認してもらう とも書いています)
まさか、医者とグルなんじゃないのかぁ?なんて声が、厚労省から聞こえそう。

なんとなく
なんとなくではいけないなぁと思うのは、「高齢者や不況で増え続ける」ことを解決しないと、もっと増え続けること。
数字だけ減ったとしても、自立できない人は置いてけぼりでは未来がありません。
そして国も大変というわりに、見て見ぬふりなのが、経団連会長の会社の法人税は17・2%
(表面税率40%)。所得税率が、年間所得100億円の人が14・2%で、330万円の人が10%という不平等。生活保護基準が、最低賃金や就学援助制度の基準のもとになること。
けして人ごとではないのです。こういうことは、この新聞には書いていませんでした。ざんねん!!

子どもの頃、おこりんぼって呼んでた花かなぁ